決済における着金連絡の重要性

 

 

以前の事例記事で売買による所有権移転の「「決済」」について
昔は当事者が一同に集まり、売主が権利証を渡すのと引き換えに買主が売主に売買代金を支払う「立会決済」がほとんどでしたが、最近は決済日までに売主・買主それぞれと司法書士が事前に本人確認の面談を済ませ、決済当日は買主が売主に振込等で売買代金を支払い、売主が司法書士に「売買代金確かに全額入りました」という着金連絡をもって登記申請の流れが主流というお話をさせていただきました。

 

今回は不動産売買による決済当日スケジュールの

【決済当日に着金確認】【決済当日に司法書士へ売主からの着金連絡】

の重要性についてお話したいと思います。
※契約書の所有権移転時期に所有権は買主が売買代金の全額を支払い、売主がこれを受領したときに、売主から買主に移転するという記載があり、決済日=所有権移転の原因日となるケースのお話しになります※

 

 

弊所もご依頼いただいているほとんどが立会なしの決済のため、決済日までに売主・買主それぞれと面談し本人確認や決済当日のスケジュール等お話させていただいております。
面談の際に売主様には売買代金を受け取ったら登記申請をしますので決済当日は14時頃までにネットバンクや通帳記帳で売買代金が振込まれたことを確認し、弊所に連絡してくださいと必ずお願いしております。

不動産業者が仲介として入っていることが多い為事前にスケジュール等把握しており、決済当日は余裕のある方が多いですが
中には
「決済当日は仕事で忙しいので、着金の確認・連絡は次の日でも良いですか?」
「仕事が終わるのが18時なので、連絡遅くなっても良いですか?」
と聞かれることがあります。

登記申請は契約書に「所有権は買主が売買代金の全額を支払い、売主がこれを受領したときに、売主から買主に移転する」という記載があることから(契約書の文言によっては別のケースもあります)

売主が確かに売買代金を受け取った!!という確認が必要となり、その確認の連絡【着金連絡】が登記申請のGOサインとなります。

法務局の閉局時間は17時15分となりますので、

①銀行の営業時間がだいたい15時までの為それまでに売買代金が入金されたか確認いただく為

②時間に余裕をもって確実に登記申請する為

弊所では目安として14時頃までに着金連絡をいただけるようご案内しております。

決済日に所有権移転登記申請が出来ない場合、買主はお金を払ったのにも関わらず名義を自分に変えることが出来ない状況となり買主の不利益となります。

 

 

もう一点、着金連絡は売主からの連絡という重要なポイントがあります。

もし買主から売買代金支払いました!の連絡をもって登記申請したとして、実際は支払われていなかった、、、または悪意がなくても振込にミス等があり売主のもとに売買代金が渡っていない状況で

所有権を移す登記をしてしまった場合売主はお金を受け取れないまま、不動産も手放してしまうこととなり大きなリスクとなります。

この為、売主または売主の仲介より着金連絡をいただくことが重要となるのです。

 

また買主とのご面談でも当日のスケジュールをきちんとお伝えしており

決済日当日に確実に売主へ売買代金をお振込いただくようお願いしております。

融資を利用して不動産購入する方は、銀行から振込の手配をしますし、司法書士、銀行、不動産仲介業者等が連携しておりますが
融資を利用しない場合に
契約も済んだし、司法書士との面談も終わったしお金が手元にあるから早く払ってしまおう!
これもまた注意が必要です。
決済日に買主に所有権が移るように登記をしますが決済日より前に払ってしまった場合
売主に悪意があれば、お金は手に入ったけど、まだ当初予定していた決済日じゃないし、司法書士との面談もまだで識別も手元にあるし、別の第三者にも売買契約を持ちかけよう、、とすることも出来てしまいます。
登記は早いもの勝ちとなりますので、売主に悪意があれば複数人と売買契約をし売買代金を手に入れ、そのうちの一人に名義変更させるまたは誰にも渡さないということが出来てしまいます。
また弊所では通常前日の法務局閉局後に該当不動産の謄本を取得し差押えされていないか、何か別の登記中でないか、、、等確実に登記申請が出来るかの確認をしています。先に決済をしてしまった場合は事前確認ができないままの決済となりリスクとなります。

 

実際に弊所にも
「決済日より前に買主がお振込をしてしまった!」という連絡がくることもございます。
誤って決済日より前にお振込をしてしまった場合

お振込当日に司法書士に連絡があり、事前に売主とも面談済で権利証を預かっており、抵当権がついておらず、法務局の申請受付終了時間まで余裕があれば書類の日付・文言等を訂正し、申請することが可能な場合もあります。
しかし、かなりタイトなスケジュールとなりますし、売主にも入金の確認をいただいた後、着金連絡がきてからの申請というのは変わりませんので、
売主へ連絡が繋がらない場合、売主が遠方にいる場合など入金を確認することが出来ず買主はお金を払ったのに名義変更出来ないかもしれない、、、という大きなリスクと不安が伴います。
司法書士と売主の面談前の場合は
誤って決済してしまってももちろん当日申請することは出来ませんし売主が本人かどうかまだ確認出来ていない段階の為、先程お話した悪意がある売主の場合、お金だけ手に入れて逃げられる、、、という危険性もあります。

弊所では司法書士とのご面談の際にきちんと決済当日のスケジュール、リスクについてご理解いただけるようお話させていただいております。
不動産の売買は多くの方にとって人生の一大イベントになりますし、きちんと理解されてから臨んでいただくのがベストかと思います。