移転登記に添付する権利証はどれ?

 

所有権移転登記を行う際、登記義務者である所有者から権利証をお預かりし、法務局へ提出しますが、時折、以下のような謄本を目にします。

 

現在の所有者であるCさんが、元々共有で持っていたAさんBさんの持分をそれぞれ相続で取得しており、順位番号2番と順位番号3番で、それぞれ権利証が発行されています。

このような場合で、Cさんが誰かに所有権移転登記を行うとすると、全ての権利証が必要となります。

 

それは、

順位番号2番のA持分全部移転で登記された権利証①は「持分4分の3」分の権利証で、

順位番号3番のB持分全部移転で登記された権利証②は「持分4分の1」分の権利証だからです。

 

つまり2つでCさんの所有権を証明する権利証となるわけなので、所有権移転で全ての権利を移転する場合は、どちらも必要となるのです。

意外と、どちらか一方しか見つからないといった事案も多々発生しており、そういった場合は本人確認情報や事前通知などで対応させていただいております。

 


 

では、次のような登記はどうでしょうか。

元々Aさんが単独所有だった物件を、数回に分けてBさんへ移転登記を行い、共有状態となっています。

Bさんが「持分10分の1」だけCさんへ移転したいとき、権利証はBさんが持分移転登記を受けた際の権利証全てが必要になるのでしょうか。
この場合は、順位番号2または順位番号3で登記された「持分5分の1」分の権利証で持分は足りているため、添付する権利証はどちらかの権利証のみで登記が可能となります。

 

しかし、ここで注意が必要です。

 

ただ単に、登記の目的を「B持分一部移転」として登記するのではなく、
「B持分一部(順位2番で登記した持分)移転」とし、どの順位で取得した持分を対象として移転を行うのか、特定する必要があります。

 

特定せず、「B持分一部移転」として登記する場合は、順位番号3番で登記された権利証も含め、全ての権利証の添付が必要となります。

また、順位2番で登記した持分“の一部”としないと持分5分の1が移転されてしまうのでは?と考えましたが、今回は“の一部”はなしで持分10分の1のみを移転することができました。

 


 

今回の事例では、Bさんは2回の持分移転登記を受けており、権利証は2つしかなかったため、全ての権利証を添付する方法でも良かったかもしれませんが、稀に、もっと多い回数に分けて取得している場合もあります。

そんな時、全ての権利証を提出するというのは、ご用意いただくのも大変ですし、大切な権利証を全て提出するということに不安を覚える方もいらっしゃるかもしれません。

あまり多くはない事例かもしれませんが、このような登記のご依頼をいただいた際は、適切に必要書類等ご案内させていただき、お客様に安心して登記を任せていただけるよう努めて参ります。