異なる持分の一括申請

 

【事例】不動産所有者Aが持分2分の1の甲土地、持分4分の1の乙土地をBに持分全部移転する場合一括申請できるのか?

 

 

不動産登記申請には1個の不動産について、1個ごとに各別に申請情報を作成するという「一件一申請情報主義」の原則があります。

しかし、以下の要件をクリアした一定の場合に一括申請とすることができます。

今回のケースでは・・・

所有者Aが持分2分の1と持分4分の1の同一管轄の不動産を取得しており、その持分の全てを同一日付で契約書を交わしBに移転するといったケースでした。

 

ここで今回のケースを先ほどの一括申請の要件に当てはめていきます。

 

①同一管轄不動産のためクリア

➁ 今回のケースの登記目的は甲乙物件ともに「義務者A持分全部移転」→同一目的のためクリア

③同一日付で契約書を交わす→登記原因が同一日付のためクリア

④2つの不動産において義務者A、権利者B→同一申請人のためクリア

と全てクリアとなりました。

 

登記研究でも同一申請書による一括申請の可否として

「持分の異なる二個の不動産について、原因日付、申請当事者が同一である持分全部移転の登記は、同一申請書で申請できる。」(登記研究:六三三九)

との記載がありました。

 

ここで問題になるのが申請書の持分の記載方法ですが

 

・権利者欄に「持分後記のとおり」文言を記載

・各不動産の下部に移転する持分を「(持分〇分の〇)」と記載

と申請書を作成し無事登記申請が通りました。

 

なお、一括申請の要件をクリアしていないケースとして

今回一括申請により、お客様からご署名ご捺印いただく書類等の負担軽減と登記事務の迅速処理につなげることが出来ました。

不動産登記について気になること、ご相談等ございましたらぜひ弊所にお申し付けください。