買戻特約はどうしたらいいの?

 

「謄本を取ってみたら土地を買った時に買戻特約が付いていた!

これってどうしたらいいの?」

 

買戻特約とは…

住宅公社や住宅公団等が、その所有する不動産を売却する際に同時に登記していた権利です。

一定期間(最長10年、定めがないときは5年)に限り、売主が売買代金、契約費用を買主に返還することによって売買契約を解除し、買主からその不動産を買い戻すことができるというものです。

買主が購入後すぐに利益のために転売することを防ぐ、住宅建築等の条件を守る目的として登記されています。公共団体が税金を使って住宅用に分譲した土地や建物のため、買主は購入後の用途を守らなければいけません。

 

登記簿ではこのように記載されています。

 

買戻特約の期間を確認してみましょう。

買戻しの期間は最長10年、定めがないときは5年で期間満了となります。

買戻特約は買戻期間が満了したからといって自動的に抹消されるものではなく、当事者が抹消の申請手続きをする必要があります。

 

買戻権抹消について

通常の登記は、権利者である所有者と義務者である買戻権者が共同で登記申請をして買戻特約の抹消をします。

買戻権者に抹消の申出書を提出し、必要な書類を発行してもらいます。

書類発行までにだいたい1~2週間、この際に事務手数料がかかることがあります。

 

しかし、現在、法改正により、買戻権者の書類不要で抹消の登記申請をすることが可能となりました。

 

2023年4月1日より、不動産登記法の法改正(不動産登記法第69条の2)により、契約から10年を経過した買戻特約は、所有者が単独で登記の抹消をすることができるようになりました。

この場合の登記原因は、「不動産登記法第69条の2の規定による抹消」となります。

 

(下線部は抹消事項となります。)

 

弊所でも古い買戻特約を抹消したいとのご相談があり、所有者様の単独申請で抹消登記を申請いたしました。

単独申請のため今までのような書類発行の手間もなく、登記完了までスムーズに進むことができました。

 

買戻特約は、抹消しなければ永遠に登記に残ります。

また、売却前等に抹消する必要がありますので、期間が経過している買戻特約は早めに抹消することをおすすめいたします。

現時点で売却の予定がない場合でも、気付いた時点で抹消されるのがいいかもしれませんね。