【2024年4月1日より】外国人が不動産の所有者となった場合
不動産の所有者となるのは、日本人だけとは限りません。
外国人の方も日本の不動産を所有することができます。
実際にトラストでも月に数件、外国人の方を不動産の所有者とする案件があります。
自身の居住用として土地・建物を購入するケースが主になります。
ではこういった外国人が不動産の所有者となる場合、登記はどのようになるでしょうか。
従来は、ローマ字氏名の表記が認められていなかったため、カタカナ表記に直し、登記をしていました。
例えば、「JOHN SMITH」 という氏名の場合は 「ジョン・スミス」と表記して登記します。
このように、比較的カタカナ表記にしやすい場合もあれば、
発音が複雑でカタカナ表記に直しにくいケースも多くあり、以前より問題視されていました。
2024年4月1日よりローマ字氏名の表記が必須に変更
しかし2024年4月1日からは法改正により、外国人氏名を漢字・カタカナに加え、
ローマ字氏名の併記が必須となりました。(ただし、すべて大文字での表記)
実際の登記例
このように従来のカタカナ表記に加え、ローマ字氏名も表記します。
また中国、台湾、韓国、シンガポールなど漢字圏の外国人氏名の場合は以下のようになります。
ちなみに、法人名については平成14年に先立ってローマ字表記が認められていました。
(例:株式会社TRUST や NPO法人トラスト など)
そこから20年少し、個人氏名についてもようやくローマ字表記が認められました。
昨今、日本国内の外国人人口は増加しつつあり、昨年には過去最高を更新したことも話題になりました。
そうした状況を鑑みても今回の法改正などは必然だといえると思いますし、
むしろもっと早くからこの制度を取り入れるべきだったのではないでしょうか。
登記申請の添付書面
では実際に登記申請する際の添付書面について、所有権移転を例にしてみます。
①登記原因証明情報
②権利証(登記識別情報や登記済証)
③住所証明情報(住民票など)
④印鑑証明書
⑤代理権限証明情報(委任状など)
⑥ローマ字氏名証明情報
このローマ字氏名証明情報とは具体的に下記の書類となります。
・住民票の写し(ローマ字氏名が記載されているものに限る)
・パスポートの写し(ローマ字氏名の表記・有効期間の記載・写真を含む)
従来の登記にローマ字氏名を追記するには
すでに従来の方法で、漢字やカタカナ表記のみで登記されている場合には、
申し出によりローマ字氏名の併記をすることもできます。
なおローマ字氏名の併記は所有権の登記名義人についてのみ認められているため、
抵当権の登記名義人や、その他の名義人については、併記はできないなどの制約があります。
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